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家財失ったホームレスが政府を訴える
食物環境衛生署(食環署)が深水●通州街で行った清掃で、一帯で暮らすホームレス11人が家財道具を破棄されたとして小額債審裁処に訴えを起こした。5月25日付香港各紙によれば、2月15日の食環署による大規模な清掃では事前通知なくホームレス30人の持ち物を撤収。中には香港身分証や回郷証(中国本土への通行証)、食器なども含まれ、3000~1万ドルに相当するという。3月22日には7人が警察に通報、4月3日に香港社区組織協会の協力の下、11人が1人当たり3000ドルの賠償と謝罪を求めて提訴した。5月24日に行われた公判で食環署はこれを拒否し、ふとんや衣類など社会福利署の公共物資で補てんすると回答。「廃物処置条例」に基づき清掃に事前通知は必要ないと釈明したが、ホームレス側は「公共衛生及市政条例」では事前通知が必要とされていると指摘した。裁判官も食環署を厳しくしっ責したが、同法廷の責務は金銭紛争にかかわる案件の処理であるため謝罪の要求は難しいとの見解を示し、双方に和解を勧めている。次回公判は6月中旬に行われる予定だ。【●=土へんに歩】