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最新号の内容 -20120323 No:1354
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バイオリニスト 庄司紗矢香さん
香港でシベリウス演奏

演奏会を終えて隈丸優次・在香港日本国総領事(右から2番目)と香港シンフォニエッタの音楽総監で指揮者の葉詠詩(イップ・ウィンシー)さん(右から3番目)と記念撮影する庄司紗矢香さん(右端)

 バイオリニストの庄司紗矢香さんが2月25〜26日に香港シンフォニエッタの演奏会「La Valse Remembered」に出演した。香港での演奏は同楽団とロンドン交響楽団との共演を合わせ、今回が3回目。庄司さんは1999年、パガニーニ国際バイオリン・コンクールに史上最年少(16歳)かつ日本人として初めて優勝するなど輝かしい経歴を持つ。今、世界で最も注目される若手バイオリニストの一人と称される庄司さんに話を聞いた。(取材と撮影・綾部浩司)

—香港への印象は? 

エキサイティングでいろんな意味でミックスで面白い街ですね。

—今回のシベリウスのバイオリン協奏曲を選んだのはなぜですか? 

 香港シンフォニエッタからの要請でしたが、パガニーニ・コンクールのファイナル曲もこのシベリウスのバイオリン協奏曲でしたので、思い入れもひとしおです。また前回のロンドン交響楽団の香港ツアーでもシベリウスのバイオリン協奏曲を演奏しました。もちろんコンクールで弾いた時とは、曲に対する見方も感じ方も変わっているかとは思います。私にとって、シベリウスの作品はある種のストーリー性があり、何か物語を語っているような、そして秘めた力強さというか沈黙の中の力強さを感じます。シベリウスの交響曲も大好きで、特に第4番が好きです。

—演奏家としてどのようなことを心掛けていますか?

 いかに素晴らしい天才が偉大な音楽を作ったのかを聴衆の皆さんに知ってほしい、と言う気持ちで演奏しています。それを伝えることが私が演奏家としての使命だと思っています。作曲家が偉大なのであって、演奏家が偉大なわけではありません。演奏家というのは、どこか職人のような仕事だと思います。

—小泉元首相が庄司さんのファンと聞きましたが

 私のファンでいらしたことは今日初めて知りました。確かに、東京都交響楽団の演奏会の後、小泉元首相が訪ねてこられ、 後日小泉元首相が出席された何かの機会で演奏をさせていただいたことはあります。

—最近、絵画の個展を開かれたと聞きました

 音楽を奏でている時に映像が浮かぶことがあるので、それをイメージを元に絵を描いてみました。実はもともと公開する気は全くなかったのですが、画家である母の勧めで個展を開くことになりました。