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最新号の内容 -20170224 No:1473
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125日~ 29のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)



■住宅担当局長、留任しないと表明

 特区政府運輸及房屋局の張炳良・局長は1月23日、梁振英政権の高官としては初めて次期政権に留任しない意向を表明した。24日付香港各紙によると、今年64歳となる張局長は商業電台の番組に出演し、今期政府への誘いを受けたときから局長を務めるのは1期限りと決めていたと説明。自身の人生計画であって、次期行政長官候補との関連性は否定した。張局長は民主党の元副主席で、珍しく民主派の背景を持つ問責高官。梁長官の当初の機構改革案では住宅と土地供給を併せた房屋及地政規画局の局長となるはずだったが、民主派による議事妨害で機構改革は棚上げ。門外漢である交通運輸政策まで担当するとは思わなかったばかりか、それが仕事の60〜70%を占めるほどになってしまったと漏らした。また公共住宅の入居申請者の平均待ち時間が4年半に達した状況は予想外として挫折を感じたほか、住宅政策でさらなる考えがあるものの「現在の社会が受け入れられるとは限らない」と述べた。


■家を買うのに必要な額は年収18年分

 香港は世界で最も住宅に手の届かない都市であることがわかった。1月24日付香港各紙によると、これは米コンサルティング会社のデモグラフィア社が世界406都市を対象に行った「世界住宅価格負担能力調査」で明らかになったもの。2016年の各都市の住宅価格とその住民(世帯)の年収の中央値を算出し順位付けしたところ、香港は世帯年収30万ドルに対し住宅価格の中央値が542万ドルと年収18年分にあたり、世界で一番住宅が買いにくい都市であることがわかった。7年連続での首位ではあるものの、昨年に比べ年収が2.4%上昇し、住宅価格が2.5%下落したことから、年収19年分だった昨年より1年短くなっている。ちなみに2位以下は、シドニー(豪)、バンクーバー(加)、サンタクルーズ(米)、サンタバーバラ(米)と続くが、トップ3は中国本土からの住宅投資が盛んな都市としても知られている。


■豊洲水産海鮮丼専門店2号店オープン

 油麻地に1月22日、「豊洲水産海鮮丼専門店」2号店がオープンした。午前には店頭で築地直送の100キロの本マグロの解体ショーが和太鼓演奏とともに華々しくオープン。この日は地元メディア、ブロガーなど関係者がおよそ80人が招待され、午後には試食会が行われた。同店は「日本の美味しい食材を世界に伝える」をコンセプトに株式会社豊洲水産などが中心となり、2016年10月に香港・銅羅湾に進出した海鮮丼専門店。日本国内では運営しておらず香港を拠点にビジネスモデルを確立し、さらなるアジア展開をめざす。食材はすべて日本産。鮮度にもこだわり本マグロは解凍なしの「生」。魚介類は厳選されたものを生産地からの直送。メニューは主に20種類近くある海鮮丼だが、国内各自治体との連携で旬の食材を使ったメニューも季節ごとに取り入れたイベントを行っていき、日本各地の魅力を伝えていくそうだ。


■ヤマト運輸、マルチ温度管理車両導入

 ヤマト運輸(香港)有限公司は1月25日、2011年に香港に進出して以来初のトラック(集客車両)増車による納車式を行った。このトラックは「冷凍」「冷蔵」「常温」の3区分を同時に配送できるマルチ温度管理車両。常温の荷室はワインに適温の11〜25度に対応できる仕掛けがある車両となっている。日本国内では導入しておらず、日野自動車、皇冠汽車(クラウンモータース)とともに3年かけて共同開発したもの。車両は香港の交通事情を考慮し、日本で使用されている従来のトラックよりやや小型に作られている。昨年11月には香港品質保証局(HKQAA)が発行するワイン配送品質認証(QB)を取得しており、今後の輸送拡大を補完するリソースとして車両にも様々な工夫を施している。同社副社長の八幡健氏は「これまで温度管理が難しいといわれていたワインの取り扱いが可能になったことで、さらなる品質向上につなげていきたい。今後さらに台車を増やしていく」と述べた。


■黄大仙祠、おみくじが電子式に

 香港市民の信仰が深い「黄大仙祠」には毎年春節(旧正月)に多くの市民が参拝に訪れるが、今年は電子式の「おみくじ箋(みくじ紙)」を導入するという。1月26日付『りんご日報』によると、竹筒に入っているおみくじ棒「竹籤(求籤)」の一部にマイクロチップがうめ込まれており、その棒を読み取り機に接触させると運勢の内容が画面に表示される仕組み。それをその場で印刷することやQRコードを使って自分の携帯電話に保存することもできるそうだ。読み取り機は廟内の3カ所に設置され、利用は無料という。ただし、運勢の内容の解説はできない。通常のおみくじのやり方は、自分で引き当てたおみくじ棒に書いてある番号(1〜100のいずれか)を廟内の一角に常駐する占い師に伝え、数十ドルを払って番号に該当するみくじ紙の内容を解説してもらうというスタイルだ。読み取り機は旧正月中に試験運用され、2月半ばごろから本格導入される予定となっている。


■春節の客足まずまず、本土客3.6%増

 今年の春節(旧正月)期間中の来港客の増加が報じられたが、中国本土客に関しては個人旅行の伸びが大きいようだ。2月2日付香港各紙によると、これは入境事務処が大みそかから新年4日目にあたる5日間分(1月27〜31日)の来港者数を発表したもの。当該期間中の本土客の来港数は全体でも延べ61万9000人と前年同期比3.6%増加しているが、中でも個人旅行が同6.6%増の36万8000人と著しい伸びを示しているという。その一方で「予想したほど伸びてもいない」と指摘するのは旅行業界選出の姚思栄・立法会議員。その理由として「去年は旺角で暴動があり春節の本土客は12%減となったが、その分を取り戻せていない」と説明している。また、ホテル業界も渋い表情だ。李漢城・酒店業主連会幹事は「春節2〜4日目は多くのホテルで9割程度の稼働率となったが、元日から7日目までを通した場合83〜84%にとどまっている。加えて宿泊料も去年より1割下がっており、好調とは言いがたい」と話す。


■職員へのお年玉、最高は2000ドル

 春節(旧正月)明けの年始には「利是(お年玉)」を配るしきたりがあるが、今年民間企業で職員に配られた利是の金額が分かった。2月2日付『香港経済日報』によると、香港上海銀行(HSBC)、恒生銀行、スタンダード・チャータード銀行はいずれも20ドルだった。中国銀行香港支店は200ドル、中国銀行傘下の投資銀行である中銀国際は1000ドルが配られたという。昨年最も高額の2188ドルだった中信銀行(国際)は、今年は2000ドルに減ったもののトップを維持した。また、モルガン・スタンレーは100ドル、デロイトは20ドルだったと報じられている。小売業では、ファストファッションのZARAが100ドル、GAPが20ドル、セレクトショップのI.Tが100ドル、アパレルチェーンのG2000は20ドルだった。香港海洋公園(オーシャンパーク)はフルタイム職員には1200ドルが、パートタイム職員には600ドルが配られた。航空業界では、キャセイ・パシフィック航空、ドラゴン航空ともに20ドルだったと広報が発表している。LCC(格安航空会社)の香港航空と香港エクスプレスはいずれも100ドルだった。


■旧正月映画、『西游伏妖篇』がトップ

 春節(旧正月)シーズンに公開された映画の興行成績が2月1日、業界団体から発表された。2月2日付『香港経済日報』が伝えた香港票房公司の資料によると、旧暦大みそかから旧正月3日の計4日間(1月27〜30日)に公開された映画の興行収入は計5482万ドルで、昨年旧正月の6157万ドルに比べ11%減少した。うち最も成績が良かったのが周星馳(チャウ・シンチー)がプロデュースし、徐克(ツイ・ハーク)監督で1月28日に公開された『西游伏妖篇』の1351万ドルだった。次に多かったのが、ミラ・ジョボビッチ主演の『バイオハザード:ザ・ファイナル』の1131万ドル。これにディズニーアニメ『モアナと伝説の海』の833万ドルが続いた。


■期限切れ食品廃棄、90分で持ち去られる

 市民がゴミ集積場に賞味期限切れの食品が捨てられているのを発見、SNSに投稿したところわずか一時間半でなくなり話題となっている。2月5日付香港各紙によると、捨てられていたのは4日明け方の屯門洪祥路の集積場。およそ700ダース計8400箱以上のカルビー社製「じゃがビー」が輸送用パレット4基分に積まれ放置されていたという。偶然通りかかった市民がこれを見つけ、同日午前9時ごろフェイスブックに投稿し、またたく間に話題は拡散。1ダースを抱える子供や、手押し車で10ダース以上を持ち帰る年配の女性など多くの人々が駆けつけ、投稿から約一時間半で同製品はひとつ残らず持ちかえられた。同製品は日本からの輸入品で、日本語で記された「賞味期限」が1月24~27日だったため販売できずに廃棄されたとみられるが、ある識者は「賞味期限切れでも品質に問題がない食品については食物銀行などの慈善団体がもらい受けて市民に分配するシステムが香港にはある。捨てる前に相談してほしい」と呼びかけた。


■「美食車」始動、行列で1時間待ちも

 香港の観光名所への集客を目的に特区政府が運営ライセンスを与えた「美食車(フード・トラック)」が、2月3日からスタートした。4日付香港各紙によると、待ち時間が1時間に達する店や一時商品が完売するもあり人気を集めた一方、利用者からは、価格が高め、宣伝不足で場所が分かりにくい、現場付近にポスターや立て看板などがなくて観光客には利用しにくいといった声も出ている。政府旅游事務署では英語、中国語簡体字、繁体字の3種に対応する携帯電話やタブレットなど移動体通信向けのアプリをリリースし、美食車の位置や各店の特徴と簡単な紹介などを提供しているが、初日はうまく運用されず、一時は香港や美食車とは全く関係のないアフリカの地図が表示されるなどのトラブルがあった。


■男性同士の性的接触でA型肝炎が増加

 HIV感染者のうち男性同士の性的接触があったという人がA型肝炎に感染するケースが増加している。特区政府衛生署衛生防護センター(CHP)の2月2日付プレスリリースによると、2016年通年は香港全体の甲型肝炎感染者は138人で、前年に比べ3割減少した。その一方で、衛生署総合治療中心を受診した男性同士の性的接触経験を持つHIV感染者のうち、A型肝炎に感染していたのは11人に上り、2006〜15年の毎年0〜2人という水準に比べると大幅に増えたといえる。同センターが、15年9月から今年1月末までに確認した男性同士の性的接触経験を持つHIV感染者でA型肝炎に感染していた人は13人で、年齢は26〜48歳。追跡調査によって感染経路は食物または水源ではないことが判明しており、性的接触による感染とみられている。


■75歳の父、12歳の娘に性的暴行

 12歳の娘に性的暴行をした容疑で75歳の男が2月3日、逮捕された。2月5日付香港各紙によると、容疑者には中国本土籍の40歳下の妻(35歳)がいて、娘は本土で生まれた。現在は夫婦仲が良くないという。最近になって妻は娘が情緒不安定であることに気付いてソーシャルワーカーに相談。2月3日に娘が病院で検査したところ、性的暴行を受けた形跡があったため、同日晩に通報、警察が男を強姦容疑で逮捕した。この家庭では高齢の夫の代わりに妻が働きに出ており、妻の話では2014年ごろから妻がいない間に犯行を繰り返していたようだという。


■タクシー初乗り24ドルへ、4月から

 香港域内のタクシー料金が4月9日から値上げされることが決定した。2月8日付香港各紙によると、これはタクシー業界からの要請を受けて行政会議が7日に承認したもので、市街地、新界、ランタオ島のすべての地区で一斉に実施されるという。2013年12月以来の値上げで、初乗り料金(2キロまで)は2ドル、1メーター(200メートル)ごとに10~20セントが値上げされることになる。地区によって料金が違うため、市街地(香港島と九龍)地区を例に挙げると、初乗りは22ドル→24ドル、近距離(2〜9キロメートル)1.6ドル→1.7ドル/メーター、遠距離(9キロメートル以降)1.0ドル→1.2ドル/メーターとなる。1回の乗車に対する平均の値上げ幅は8.6〜11.15%だが、特区政府では「各要素を熟考して決定した。当該期間の物価上昇率に近い値になっている」とコメント、値上げ幅の正当性を強調した。


■14歳の母、交際相手の中学生を逮捕

 2月3日香港仔(アバディーン)で、堕胎した6カ月の胎児を海に遺棄した14歳のカップルが逮捕された。4日付香港各紙によると、妊娠していたのは中学3年生の少女で、交際相手は中学2年生の少年。2人は昨年4月から7月の間に少なくとも4回性行為をもち、今年1月になって少女の妊娠に気付いたという。2月1日に少年が旺角の薬局で手に入れた堕胎薬を飲んだ少女は2月2日に居住する団地の階段で流産し、その晩に少年が胎児を海に遺棄したという。しかし少女の出血が止まらず、母親が救急車を呼び、病院で堕胎したことが発覚した。母親が通報し、警察は少年を16歳未満の少女と不法に性交した容疑および薬物で堕胎を促した容疑で逮捕した。また少女も不法堕胎の容疑で逮捕されたが、現在は治療のため入院中。香港の法律では妊娠28週以降の人工流産は認められず、また26週以降の胎児は分娩で生存する確率が高いことから人工流産させた場合に殺人罪が適用されることがあるという。


国際マラソンに熊本県トマトプロジェクト

 2月12日開催の「第21回香港国際マラソン」を控えた4、5日、ランナーのゼッケン交換がビクトリア公園で行われた。毎年50カ国からおよそ73000人のランナーが参加、アジア最大級のマラソン大会としても知られており、日本からも1000人を超えるランナーが参加する。今回で3度目のスポンサーとなる「熊本県トマトプロジェクトチーム」はJA熊本経済連と熊本県、日本貿易振興機構(JETRO)が結成。熊本県産トマト「熊本プライムトマト」をPRする試食会が行われた。マラソン当日には給水地点(西トンネル九龍側入り口)とゴール前にプライムトマトを設置しランナーが食べられるようにする。熊本県香港事務所所長の西山英樹氏は「全国一の生産を誇る熊本トマトのおいしさを多くの人に知っていただく機会。震災後の様子を気にかけてくれる人が多く励まされた。さらにインバウンドにつながれば嬉しい」と話した。(写真:楢橋里彩)