行政長官選挙への出馬準備に向けて１月１２日に辞任を発表した林鄭月娥・政務長官は、同日午前に出席した政府の内部セミナーで「発展途上の都市における政府の役割」と題した講演を行った。１３日付香港各紙によると、林鄭長官は香港に対する８大ビジョンとして１国２制度の堅持、経済の多角化、低所得層・弱者支援などを示したほか、財政哲学にも言及。政府の歳出は拡大しているものの、域内総生産（ＧＤＰ）も拡大しているため基本法１０７条の原則にかなっていると指摘したほか、貧富の差が拡大する中で政府は役割を発揮すべきと述べた。在任中は社会福祉政策に注力していたが「私は社会主義者ではない」と強調。「政府は社会福祉上、多くのことをやるべきだが、社会主義政権ではない。資本主義は香港に非常に合っている」と述べるなど財界の懸念払拭に努めた。全国政協常務委員の陳永棋氏は「中央は林鄭長官への支持に傾いている。香港政治が混乱している中で適切な人選」とみるが、民主党の胡志偉・主席は「梁振英・行政長官の路線を引き継ぐなら民主党は支持しない」と警戒を示した。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=16564