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最新号の内容 -20161202 No:1468
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KANIKAPILAが香港でライブ開催

KANIKAPILAが香港でライブ開催

下段右よりAOI(ボーカル・パーカッション)、YOSHIKA(ボーカル・ウクレレ・ギター)、LEONA(ボーカル・ギター)、NATSUKO(ボーカル・キーボード)、上段右よりMIZUHO(ボーカル・ギター)、PIPPI(ドラムス)、KANA(ベース)(写真は筆者撮影)

 

 福岡県久留米市出身の高校生7人組、ガールズバンド「KANIKAPILA」が単独ライブで来港。ハワイ語で「音楽やろうよ」という意のバンド名を持ち、7月に上海・台湾ライブを成功させたメンバーの中から、YOSHIKA、LEONA、AOIの3人を直撃しました!

 

AOI(以下、A):東アジアのお客さんは、大きな声で応援してくださったり、手を振ってくださったり、自然体で音楽を楽しんでいる感じがしますね。

 

YOSHIKA(以下、Y):MCで、私がエンディングテーマ『トラブルメイカー』を歌ったアニメ『NARUTO-疾風伝』の話をすると、ほとんどの人が「知ってる!」「大好き!」と言ってくれるんです。みんな日本語を勉強していて、ライブ後に「ありがとう!」じゃなくて、「お疲れさまでした!」と言われたことに驚きました。

 

LEONA(以下、L):私は女のコのファンから、「かわいい!」って言われたのもうれしかった。香港は日本語でコミュニケーションできるし、温かいイメージがあります。買い物して「多謝」と言うと、みんな笑顔で返してくれる。とにかく、人に話しかけたくなる街ですね。

 

Y:私、さっきご飯を食べてるときに、女性の店員さんに「キレイですね!」と話しかけられました(笑)。英語など、いろんな言語が通じるのも、素敵ですし、最近習い始めた中国語の勉強も頑張りたいと思いました!

 

A:聞いていた通り、香港は地元より都会でした(笑)。ホテルの窓から見える高層ビルの景色も、高所恐怖症だから怖いけど、キラキラして見えました。あと、成龍(ジャッキー・チェン)好きのお父さんから「ジャッキーに会ったら、よろしく!」と言われましたが、今のところ会えてません(泣)。

 

——事務所の先輩であるSCANDALさんなど、香港でも多くのガールズバンドがライブをしていますが、KANIKAPILAの「武器」は?

 

Y:メンバーが7人いるので、演奏も歌声もパワフルだし、そのうち5人がボーカルを取れることも大きいです。あと、ロックだけでなく、レゲエ調やテクノ調だったり、幅広いジャンルの楽曲を演っているので、ライブも楽しいはずです。

 

L:私、昔ミュージカルをやってたほどダンス好きなんですが、竿(ギターとベース)担当の4人が足のステップや首の動きを合わせるようなパフォーマンスも特徴だと思います。弾きながら踊れるガールズバンドはかわいいし、なかなかないと思いますし、去年から始めたサックスも、ライブでどんどん演奏していきたいです。

 

A:そうやってカッコよく演奏するメンバーが、MCでは普通の現役女子高生に戻るギャップみたいなところですね。幼ななじみ7人の元気さは、どのガールズバンドにも負けないです! 私たちはSCANDALさんのコピーバンドとして結成したので、最初はSCANDALさんが目標という気持ちが強かったですが、7人でやっていくにつれ、今では7人の個性がぶつかり合うガールズバンドの枠を超えたグループを目指しています。

 

Y:その一歩として、まずニューシングルの『茜さす風』を多くの人に聴いてもらいたいですね。「ありのままの自分でいいんだよ」と自分に訴えかけるストレートでパワーのある歌詞をより伝えるために、今回は初めて5人での歌い分けではなく、AOIがリードボーカルとして歌っているんです。

 

L:1週間かけてレコーディング合宿したんですが、リーダーとして、何度も録り直すAOIの苦労とか、どんどん良くなっていく感じが見えたんです。初めてのミディアムバラードですし、KANIKAPILA的に、とても成長した曲になったかなと思います。

 

A:最初は「私がリードボーカルでいいのか?」と不安やプレッシャーもありました。いちばん歌詞と向き合うことが難しかったですが、音楽シーンを変えるまでにはいかなくても、この曲で聴いてくれる人の何かを変えたいという気持ちになりました。また、香港でこの曲を歌えるよう、これからも福岡を拠点に頑張っていきます!

 

 

筆者:くれい響(くれい・ひびき)

 

映画評論家/ライター。1971年、東京生まれのジャッキー・チェン世代。幼少時代から映画館に通い、大学時代にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。卒業後はテレビバラエティー番組を制作し、映画雑誌『映画秘宝』の編集部員となる。フリーランスとして活動する現在は、各雑誌や劇場パンフレットなどに、映画評やインタビューを寄稿。香港映画好きが高じ、現在も暇さえあれば香港に飛び、取材や情報収集の日々。1年間の来港回数は平均6回ほど。