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最新号の内容 -20161202 No:1468
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《60》膝の内側側副靭帯損傷

 

Q:こんにちは、どうぞよろしくお願いします。3日前の日曜日にサッカーをしていて右膝の外側から人にぶつかられ、膝の内側に傷みが起こりました。その後に病院に行き、エコー検査とMRIをとり「内側側副靭帯損傷」と診断され、ギブスで固定して2週間は様子を見ることになりました。鍼治療も「炎症」を治すのに役立つとネットに出ていましたので参りました

 

A:そうですか、では右膝を出して見せてください。少しはれていますね。

 

Q:このおさらの内側なんです。そういえば病院でドクターが右膝の外側から固定し、私の右足を外側へそらすように引っ張って、痛くないか尋ねたのはなぜですか?

 

A:それは、わざと内側の靭帯を引っ張ってみて、痛みが出れば「内側側副靭帯」の傷なのですが、足を内側に引っ張っても(膝関節内側に圧をかけても)内側に痛みが出れば「内側半月板」などのそのほかの原因も考えられるのです。これを「徒手検査」といいます。

 

 それに加えて「エコー検査」などを行えば、「炎症」を起こしている位置が「滲出物」が出てはれていることで確認されます。この位置付近に鍼をしていくことで、体がより治そうとする「自然治癒力」を引き出せます。その結果、「炎症」が治りやすくなるのです。

 

 膝以外に気になるところはありませんか?

 

Q:なるほど…。膝以外では、ぶつかった時に腰をひねってしまい、動くと少し痛むんです。以前も何回か痛めたことがありますので、一緒に診ていただけますか?

 

A:では、こちらのベッドにうつぶせになってください。腰をチェックしてみます。軽く押しますので痛む箇所や違和感のある場所を、おっしゃってください。…腰の筋肉が張って硬くなっていますね。ここは、どんな感じですか?

 

Q:あー、そこです。少しいやな感じがします。

 

A:では、腰と右膝の靭帯などの位置を消毒し、治療を始めます。針はすべてディスポーザブルですので、ご安心ください。腰にはりをしますと少し足に向かって何かひびく感じがするかもしれません。感じたらおっしゃってください。

 

Q:腰から太ももあたりが、だるく感じ始めました。膝は大丈夫です。

 

A:軽い「低周波」を20分ほど使ってみますので、もしこの感覚が苦手でしたらおっしゃってください。無理に使いませんので、いかがでしょうか?

 

Q:あ、大丈夫です。

 

A:治り方に個人差がありますが、2〜3回の治療でかなり良くなることが多いようです。 

(この連載は2カ月に1回掲載)

 

浅井先生:1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。