司会者・女優として大活躍

２０１５年香港小姐競選總決賽前のゲストお披露目で際立った美貌でカメラマンを釘づけにした鄧佩儀さん。15年８月30日、筆者撮影

鄧佩儀さん

　中華圏ミスコンの元祖ともいうべきミス香港（香港小姐）は半世紀近くの歴史を刻んできたが、開催元のTVB（無線広播）には、国際中華小姐（初期には「国際華裔小姐」といった。ミス・チャイニーズ・インターナショナル）という国際大会もある。前者が概ね6〜8月の夏場に開催されるのに対して、後者は毎年厳寒の1月に開催される。TVBは夏と冬でミスコンの二毛作をやっているわけだ。

２０１５香港小姐競選に来賓として参加した鄧佩儀さん。カメラマンの注文に気さくに応じていた。15年８月30日、将軍澳のＴＶＢスタジオで筆者撮影

　その国際中華小姐で2013年大会の冠軍（優勝）に輝いたのが鄧佩儀（グロリア・タン）さん。香港生まれだが、返還前の移民ブームで両親と共にカナダに移民。オタワで育ち、英国のコロンビア大学でマーケティングを学んだ。2012年に温哥華華裔小姐（ミス・オタワ・チャイニーズ）で優勝。翌年2月23日に香港将軍澳のTVB電視城で開催された国際中華小姐競選にオタワ代表として出場し、下馬評通り優勝をさらった。
　その後はTVBと専属契約を交わし、ドラマや司会に活躍。正統派美人女優としてますます活躍の舞台を広げている。
（このシリーズは月１回掲載します）

筆者・和仁廉夫（わに・ゆきお）
1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』（花千樹出版・中文）を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」（霞山会『東亜』2009年9月号）がある。