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最新号の内容 -20160607   No:3959
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海上ルートの密輸、前年比57%増

 海上ルートによる密輸が急増している。6月6日付香港各紙によると、これは香港海関(税関)が報道陣に対しあきらかにしたもの。1~4月の海上ルートによる密輸摘発件数が前年同期の21件比べて33件と57%も急増、逮捕者は33人、押収した密輸品は一般市場価格で1433万ドルにも上るという。税関では密輸急増の要因を各ボーダーでのタバコの持ち込み検査が強化されたことにあるとみているが、海外の物品に対する中国本土側の需要の高さにもあるようだ。摘発件数、逮捕者数ともにタバコがらみが大半を占めるものの、押収額に関してはタバコが160万ドル程度なのに対し、ツバメの巣や和牛、ロブスターなど高級食材は1052万ドルにも上る。珍しいところでは紫檀の木材やセンザンコウの鱗など、売買自体が禁止あるいは制限されているものもある。密輸の舞台となっているのは西貢、蒲台島、后海湾、長洲島一帯などで、最近では漁船に扮した運搬船が物品を携え沖に出て、受け入れ側の高速艇に海上で受け渡すという方法が主流とされている。香港内に接岸せず、摘発のリスクを軽減する「クロスロード」と名付けられた手口だが、ボーダーを跨いでいるため摘発が難しいのが現状だ。【関連記事】http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=14635