バックナンバー
|
|
トラムの一部区間廃止、提案が物議醸す
香港島を走る昔ながらの交通機関「トラム」は香港名物の1つでもあるが、その一部区間を廃止すべきとの提案が出され物議を醸している。8月20日付『大公報』などによると、かつて特区政府でプランナーを務めていたコンサルタントの薛国強氏が先ごろ、交通渋滞緩和のためトラムのセントラル―アドミラルティー間の一部区間を廃止するよう政府の城市規画委員会に提案した。薛氏は『大公報』の取材に対し「MTR西港島線の開通でトラムの役目は終わり、トラムが香港島北部の路面の約30%を占有しているのは非効率。トラムを廃止しても博物館に置けば香港の文化的特色を損なうことはない」と主張した。この提案に対し鉄道マニアや環境保護団体が強く反対し、一部で署名運動も始まった。一方、政府は19日夜に声明を発表し、「トラムのセントラル―アドミラルティー区間を廃止するとの提案は政府の構想ではなく、政府がコンサルタントに建議を委託したわけでもない」と説明、現行のトラム交通政策は変わらないと強調した。トラムを運営する香港電車公司も廃止案は初耳で、この件について政府からも接触はないと述べている。【関連記事】