初の室内楽公演に喝采
バイオリニストの竹澤恭子さんが、今年1月に行われた第6回香港国際室内楽フェスティバルのために来港した。竹澤さんはソロ公演や香港フィルとの共演で香港公演を重ねているが、室内楽公演はこれが初めて。その竹澤さんに話を聞いた。
Q:ソリストとしての公演が多い竹澤さんですが、今回の公演はいかがでしたか?
——共演の方々は室内楽のメンバーとして、そして世界の有数なオーケストラのメンバーとして経験豊富な方が非常に多かったので、室内楽演奏よりソリストとしての活動が多い私にとって刺激が大きかったです。メンバーのみなさんが実によく聴き合っていて、日本人同士のリハーサルより積極的な意見を語り合うので、「本当にみなさん経験深いなぁ」と驚かされました。 Q:ソリストとして活躍している樫本大進さん(バイオリニスト)は現在ベルリン・フィルのコンサートマスター、そしてハンナ・チャンさん(チェリスト)は カタール・フィルの指揮者を務めていますが、コンサートミストレスや指揮者になってみたいと思ったことはありますか?
——オーケストラのメンバーとして弾くのは作曲家についてより深く知ることが出来て面白いですが、コンサートミストレスとしてオーケストラをまとめるというのは、今まで一匹狼のようなソリストとして音楽をつくっていた私としてはちょっと・・・(苦笑)。またソリストとして協奏曲を弾くのに比べ、コンサートミストレスとしてオーケストラ作品のソロのフレーズを弾くこと、オーケストラとの音のバランスなどさまざまなことを考えて演奏することは、本当に難しいと思います。 Q:何度か来港されていますが、今回の訪問で何か変化を感じましたか? ——実はハーバーシティーの前にあった行きつけの雲呑麺屋さんが、なくなってしまったのがとても残念でした。香港の印象が変わってしまったなぁ、と感じました。 演奏会での厳しい表情とひたすら音楽を求道する姿勢とは全く違い、実にきさくにお話をなさり人間味あふれる竹澤さん。本物の音楽を伝えたいとする竹澤さんの源泉には、そんなきさくさがあるのだとこのインタビューを通じて強く感じた。
名作映画『小城之春』を舞台に改編
上演は4月10・11日19時30分からと、4月12日14時30分から。会場は香港文化中心のグランドシアター、チケットは120、220、300、380ドル。演目に関する問い合わせは2268―7325へ。(写真提供・康楽及文化事務署)
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