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最新号の内容 -20141205 No:1420
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香港線就航から60周年迎える


 経済のグローバル化が進む中、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き何に注目して事業を展開しているのか。さまざまな分野で活躍する企業・機関のトップに登場していただき、お話を伺います。(インタビュー・楢橋里彩)

日本航空 香港支店
支店長 池田泰久さん

【プロフィール】
 神奈川県出身。1983年、日本航空に入社。成田、伊丹、ニューヨーク、札幌、北京などにて主に航空貨物、空港業務を担当。2012年4月より現職。趣味はジョギング、読書(歴史、科学全般)、野球などのスポーツ観戦。

 

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——来年2月に香港線は就航60周年を迎えますね。

 まずは日ごろより弊社をご利用いただいているお客さま、香港の皆さま、関係の皆さま方の温かいご支援に深く感謝申し上げます。おかげさまで来年2月に就航60周年を迎えます。日本の航空会社として初めて香港に就航して60年がたちますが、この間、香港と日本の交流の懸け橋としてお役にたてたとすれば大変喜ばしいことだと思っています。あらためまして皆さまのおかげで運航を継続させていただいたことに深く感謝申し上げます。60年前はまだプロペラ機での運航でしたが、当時は東京から沖縄経由で香港まで9時間かかっていました。今では約4時間程度ですので、この間の航空機の進化には目を見張るものがあります。
 

——2012、13年連続で定着時世界一を獲得しています。どのような社内の取り組みがあるのでしょうか。

 まずはすべてにおいて安全運航が第一です。定時運航はお客さまへのお約束であり、航空会社の基本品質ですので、お客さまへより快適、スムーズな空の旅を提供できるよう全社一丸となり取り組んでいます。予約・営業、空港、整備など、さまざまなスタッフが部門や職種を越えて綿密なコミュニケーションを取り合い、連携しながら、一便一便の定時運航の実現に取り組んでいます。加えて香港空港では、お客さまへのご案内方法などを工夫し、よりスムーズにご搭乗いただけるように努めています。
 

——お客さまへのおもてなしとは具体的には?

 ヒューマンサービスです。座席の質を高める、エンターテインメントを充実させるなどハード面での品質向上はもちろん重要ですが、快適なフライトを過ごしていただくため、ヒューマンサービスの品質向上に力を入れています。お客さまとのタッチポイントでのヒューマンサービスをいかに充実させるかを重要視しています。お客さまとの主なタッチポイントは、予約、空港、機内の3つがあると思いますが、それぞれの場面で、いかにお客さまのニーズに合ったサービスを提供できるか、これにこだわりを持って取り組んでいます。
 

——まさにJALブランドを高めていくということですね。

 そうです。香港は特に競争が激しい地域なので日本のフルサービスキャリアとして、弊社ならではの高品質なサービスの提供に心掛けています。中でも、弊社の香港発便での機内食のメニューは力を入れています。和食に関しては、農林水産大臣より日本食海外普及功労者表彰を受けられた安部隆孝さんに監修をしていただき、趣向を凝らしたお食事をご用意しています。また、洋食も日本のお客さまの嗜好にあったものをご提供すべく、機内食の専門シェフを日本から派遣し、品質管理を行っています。JALの機内食を楽しみに利用していただけるお客さまを増やしていきたいですね。
 

——CSR活動については。

 先日、香港日本人学校小学部の生徒さんを対象にした空港見学会を実施しました。これは毎年実施しており、機内食工場、整備場などを見学いただきます。最後は折り紙ヒコーキ教会の認定指導員資格を持った乗務員が折り紙ヒコーキ教室を開催、自作の折り紙ヒコーキで滞空時間を競うコンテストも行います。こうした活動を通じて皆さんにより飛行機を身近なものと感じていただきたいと考えています。こうしたイベントは今後も積極的にやっていきたいです。また、私たちは長い間日本と香港の懸け橋として、日本語や俳句などの日本文化普及のお手伝いもしてきています。来年は就航60周年ですので、就航記念イベントも実施したいと思っています。12月から『香港ポスト』でも香港大学の中野准教授の日本と香港の航空の歴史に関するエッセイを掲載いただく予定ですので、ご期待ください。60年はひとつの通過点にすぎません。今後も地道にいろいろな取り組みを行い、皆さまにより一層愛される会社でありたいと思います。

(この連載は月1回掲載します)

 

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。
ブログ http://nararisa.blog.jp/