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2875万ドルで競売の名画、ゴミ捨て場に
先ごろ行われたオークションで2875万ドルという高値がついた水墨画が紛失する事件が起きた。4月9日付香港各紙によると、行方不明になっているのは米国籍の華人芸術家でコレクターとしても知られる崔如琢氏が2012年に創作した作品『山色蒼茫釀雪天』。高さ1.79メートル、長さ3.81メートルという大型の水墨画で市場価値は2500万~3500万ドルといわれている。上場企業の保利香港拍売有限公司(Poly Auction Hong Kong)がグランドハイアットで開催したオークションに出され、7日に2875万ドルで競り落とされたが、翌8日、保利の関係者が会場を撤収する際に同作品がなくなっていることに気付いて通報した。防犯カメラの映像などから清掃スタッフがゴミと間違えて運び出したことが判明。すでに屯門稔湾のゴミ埋立地に運ばれたもようで、回収は難しいとみられている。高額な品の紛失だけに警察では重大犯罪課を動員して盗難事件として処理しているが、今のところ逮捕者は出ていない。過去の紛失事例などによると、競売は成約しているものの作品の引き渡し前だったことから、損害賠償を受けるのは買い手ではなく、同作品の売り手(所有者)になるとみられている。【関連記事】