旧正月の過ごし方
旧正月には玄関や門に縁起の良い言葉を書いた赤い紙が張られる。これは「春聯」といい、中国本土では元来「対聯」という七文字の対句を用いるが、香港では四文字の「恭喜発財」など、「揮春(祝い言葉)」を使う。軽く握った左手を右手で包み込み、胸の前で前後に振りながら「新年快楽」とあいさつしよう。揮春の言葉はそのまま新年のあいさつにも使えるものが多い。ポピュラーな言葉には右のようなものがある。 揮春は文具店やデパートなどで手に入るが、旧正月の2週間ほど前になると街頭でも売り始める。金色の墨汁でめでたい言葉を手書きする屋台も人気だ。
大人でももらえる
旧正月が近づくと、香港の新聞にお年玉袋が付録として付いてきたり、ショッピングセンターで買い物後に粗品としてお年玉袋がもらえる場合があるので、これを活用してもいい。あげるももらうも年齢には関係ないので、自分が既婚ならば配ることを覚悟してお年玉袋を多めに用意しておこう。また、もらったときには笑顔で「多謝(トーチェ)」と言うのを忘れずに。
キンカン(金桔/ガムガッ) 桔は広東語でガッと読み、吉(ガッ)と同じ発音なのでめでたい。黄色い実がなる様子から実を黄金に見立て、たくさん大きな実がなっているのが「大吉(ダイガッ)」で縁起が良いとされる。金桔に似た品種に金棗(ガムジョウ)というキンカンもある。キンカンの実は丸く、とても酸っぱいので生では食べない。汁を搾ってレモンやハチミツを混ぜてジュースにしたり、砂糖漬け、リカー漬けにするとのどの薬になり、せき止めによい。金棗はだ円形の実がなり、そのままでも食べられる。金棗の実も砂糖や酒に漬けてのどやせきの薬にする。砂糖漬けにしたときには金棗の方がおいしい。キンカンの金色の実の間にお年玉「利是(ライシ)」を入れる赤い袋を下げると正月気分が盛り上がる。立派なキンカンを探しにわざわざ新界まで出掛ける人も多い。年始回りで人の家を訪問したら、小さいキンカンであっても「大吉、大吉」とほめるのが礼儀。
実を黄金に見立てるキンカンと同じ理由から旧正月の定番となっている。大型の夏みかんタイプも人気がある。
良い香りが幸せを運んでくるといわれる。日当たりの良い場所に置けば、たくさんの花を咲かせる。水栽培も簡単。つぼみや花の数で値段が決まり、花市でも値段の張る鉢植えの一つだ。
花も葉もなく枝に黄色い果実がなっているだけの奇妙な植物だが、実に五つの突起があることから、家族五世代が一堂に会した様子に見立てられる。
もともと台湾や中国本土で神棚の飾りに使われてきた縁起の良い植物。上に伸びる青い葉が開運を意味し、水栽培もできる丈夫なところが人気。
家の中で桃の花が開くとめでたい雰囲気が増すので、できるだけ花が大きく、つぼみがたくさんついたものを選ぶのが基本。かなり大きいので鉢植えではなく切り枝で売られている。赤い紙に包んで巨大な花束のようにして持って帰り、家ではバケツに挿して生けるのが一般的なようだ。桃の花は「良縁を運ぶ」といわれることから、真剣に品定めをする女性も多く見掛ける。 |
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