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最新号の内容 -20110812 No:1339
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課文162「ねん挫を治す」
常備しておきたい雲南白薬

「雲南白薬膏」34.9ドル(8月3日マニングス調べ)

 中国の宝ともいうべき「雲南白薬」。これは一番有名な中国モノの傷薬として中国人なら誰でも知っている。その基本は止血をするとともに、血行を促進するという相反する働きである。そしてその効能は血を止めて傷を治す、消炎、腫れをとる、膿みを採って解毒する。体の外側の傷に関しては、銃創、刀傷などのひどい傷から、打撲傷、擦り傷、切り傷といった日常的なもの、細菌感染による腫れ物まで。体の内側の傷に関しては、のどの腫れや痛み、慢性胃痛、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の出血に加え、婦人科系の病気である生理痛、生理不順、産後のうっ血にまで効果があるといわれているスグレモノ。

  基本は「粉薬」で、そして、それを主成分とした「歯磨き粉」「傷テープ」などが生まれ、それらの効果をこんなお値段で享受させていただいてええのかしら? というくらいのコストパフォーマンスの良さに、わが家の常備品になっている。 常備品にはしているものの使ったことがなかったのが、今回ご紹介する『雲南白薬膏』(湿布薬)。先日、犬をだっこしていて階段から落ちた。後から考えたら犬のほうが敏捷だから手から離せばよかったのだけれど、とっさに「けがさせたらアカン!」とかばったがために、左足首から小指にかけて傷めてしまった。

 小指が治って、パンプスを履くようになったころに、足首がおかしいのに気付いた。痛いねんけど、ちょっと嬉しかった。なぜかというとこの『雲南白薬膏』(湿布薬)を自分でお試しできるから。それで、開けたことのなかった箱を開けてビックリ! なんと、4枚しか入っていない。それも、ご丁寧に個別包装してある。

 最初に考えたのが、私がモノを作るとき、ひと箱やひとセットとする量は「その悩みが何とかなるための最低量」なので、この「4枚ひと箱」というのは「4枚あれば大概のモノは治したる!」という強い決意に思えた。

 説明書には「成分:国家保密方(国家機密のレシピ)」となっていて、打ち身、腫れ、リウマチなどに効果があること。注意事項として、傷口には使用しないこと、12時間以上張り続けないこと、張っていてかゆくなったらすぐにとることと書いてあった。そして、私は足首に張った。張ったすべての範囲ではなくねん挫特有のイヤな痛みを感じていた部分だけが、「スーッと開放される」ような不思議を感じた。2日間で大丈夫そうにはなったのだけど、念のために4日間×12時間。ホンマに治った。    (このコーナーは月1回掲載)

筆者・楊さちこ
1961年大阪生まれ(国籍:日本)南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士日本と香港・中国のアジアコスメブームに火をつけたアジアンコスメの第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけるほか、各地において美容セミナーを開き、「楊さちこ式美容メソッド」「脱ファンデーション」を伝え、女性たちから絶大の信頼と支持を得ている。
楊さちこのアジアンビューティースタイル公式サイト
røpeque®—レピーク—
http://www.yo-sachiko.com/