アニメ好きの夢見る少女
台湾は中華圏のなかでは比較的ミスコンの低調な地域だったが、それでも城市小姐(中華全球城市選抜協会)・台湾小姐(中華民国美容美学発展協会)・中華民国小姐(中華國際選美発展交流協会)がある。長年高雄で開催されていた港都小姐に起源する城市小姐は、全球城市小姐という中台両岸をまたぐ国際大会を開催してきた。また、台湾小姐は近年隔年の開催になっているようだ。その点、後発ながら中華民国小姐(Miss ROC)は毎年開催され、世界各地の国際大会に積極的に台湾代表を派遣してきた。
2016年のミス・インターナショナル(国際小姐)世界大会で台湾代表をつとめたのが2016年中華民国小姐で亞軍(准ミス1位)に入賞した譚艾寧(タム・アイニン)さん。台北市立和平高中時代から「和平動漫20th」という、漫画やアニメを愛好する美少女グループで活動してきた夢見る少女である。現在は台北郊外の中国文化大学で大気科学を専攻する大学生。まさしく未来の「お天気お姉さん」にぴったりのキャラクターだ。ミス・インターナショナル世界大会の親善訪問には、東日本大震災の被災地や、火山活動が活発化していた箱根大涌谷も含まれていた。箱根大涌谷で今も勢いよく噴出する噴煙を目の当たりにして、彼女は何を思っただろうか? (このシリーズは月1回掲載します)
筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお) 1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。 |
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