香港ウェディングフェア 2月10〜12日に香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで開催された「香港ウエディングフェア」。期間中は6万人近い人が来場、特に20〜30代の結婚を控えた若年層のカップルらをターゲットとしウェディング関連の商品販売を行うものだ。日本ブースではJNTO(日本政府観光局)香港事務所が訪日ウェディングのPRを展開、さらに日本の認知度を高めるべく、自治体や民間企業との共同出展を行った。日本におけるフォトウェディング事情、ウェディング市場の動向について各企業・団体に話を伺った。
同イベントへの出展は今回2回目の日本政府観光客香港事務所(JNTO)。ここ数年目まぐるしく香港のウェディング市場の動向は大きく変わってきたという。婚姻届けの「受理証明書」という書類を婚姻届けを提出した市区町村役場から発行してもらうと、香港でも婚姻手続きが可能になる「リーガルウェディング」も徐々に増えているなか、特に注目されているのは「日本でのフォトウェディング」。香港から問い合わせ、来日するカップルは年々増えているという。「以前は台湾や韓国での撮影のほうが人気は高かったのですが、今では日本は引けをとらない」。一番人気は南国リゾート地「沖縄県」だ。沖縄県の調査によると、挙式をするカップルは1万2000組以上、海外からは1000組を超え、国別に見ると、香港からのカップルが半数を超える。青い空、白い砂浜、「写真映え」のするスポットがいくつも点在する沖縄は香港からも片道2時間ほどで行ける場所として不動の人気を誇る。さらにLCCなどの就航便が増えていることで、ますます需要が高まっている。 中西氏によると、日本のチャペルはホテルに併設されていることが多いが、沖縄にあるような「独立型のチャペル」が香港人には人気なんだそうだ。最近では、鳥取県、島根県など山陰地方が注目されている。中でも自治体や企業・団体が一体となって取り組んでいるのが山陰地区の名に因んだ「縁の道〜山陰〜」というインバウンド事業だ。豊かな自然と日本最古の歴史を持つこの地域は、古くから続く伝統的、歴史的な文化が息づいている。出雲大社、松江城、大山などをはじめとする美しい景観が見られるのも、地方都市ならではの魅力だ。「まさに縁にちなむスポットが多いので、近年人気が高まっている」と中西氏。 こうした場所で着物を着て撮影する「和装のレンタル」の需要も高まりを見せている。挙式をするカップルは増えてはいるものの、せめて和装撮影をしたいと着物への憧れをもつ香港人の女性も少なくない。この需要にこたえようと、2016年に北九州で立ち上がったのが「一般社団法人日本フォトウエディング協会」だ。フォトウエディングの理解と地位の向上およびフォトウエディング文化の向上を目指して作られたもの。婚礼業界では、挙式披露宴市場の縮小しつつあるなか、新たなスタイルとしてフォトウェディングを提案し、和装撮影を検討している海外のカップルからの問い合わせに応える。和装撮影だけでもしたいという香港のカップルからの問い合わせも増えている。「人と異なること、あまり知られていない場所での撮影など、よりニッチな場所を求めるのが香港人の特徴。今全国的に民間企業だけでなく自治体も全面サポートし総力をあげて取り組んでいる」と中西氏。 香港からの訪日者数は年間180万人を超えており、毎年記録を更新している。地方都市も気軽に行けるようになった。「オリジナルの旅」「オリジナルウェディングフォト」の追求をする海外からの客に対し、どうニーズに応えていくか。地方都市の活性化に繋げるための課題は多い。
インタビュー②
(このシリーズは月1回掲載します)
【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。 |
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