メルマガ『日刊香港ポストe-mail版』
2月27日~3月10日のニュースから抜粋 ■MTR放火被害者、台湾へ戻り治療 2月10日にMTR車内で放火事件が発生し負傷者が19人に上る惨事となった。その負傷者のうちの1人で、香港旅行中に事件に巻き込まれた台湾籍の女性が2月23日に台湾へ戻ったことが分かった。24日付香港各紙によると、この女性は顔や両手、太もも、肩、気管など全身の皮膚の20%にやけどを負い、一時は生命の危険にさらされ、エリザベス医院のICU(集中治療室)で治療を受けていた。人工呼吸器を使わずに自力呼吸ができるようになったほか、少しずつ会話ができるようになったことから、医師の同意を得て台湾に戻って治療を続けることになったという。同日は医療用担架に乗ったまた飛行機に搭乗し帰途についた。香港での治療費については、香港特区政府が免除することを批准している。賠償金については今後香港鉄路(MTRC)との話し合いが行われるようだが、港澳台経済同郷会が3万2000ドル、香港台湾工商協会が1万2000ドルの見舞金を送った。
香港市民の携帯電話の平均所有台数は4.25台であることがわかった。2月28日付『東方日報』によると、環境保護団体のグリーンピースが2007年から始めた統計で、07年から10年間に全世界で71億台のスマートフォンが製造されたことが分かった。また16年は世界の総人口の3割近くがスマホを所有しており、20年にはそれが37%に達する見込みという。グリーンピースが昨年行った調査では、香港市民1人当たりの携帯電話所有の平均は4.25台で、韓国と中国本土を上回ったばかりか、米国やドイツよりも多いことが分かった。
男子中学生が女子生徒の制服を着て登校したことが物議を醸している。2月26日付香港各紙によると、屯門宣未知中学で私服登校日だった2月23日に4人の男子生徒が女子生徒の制服を借りて着用し、校内で騒いでいたら教師にしかられたという。教師に校則違反だから着替えるようにと言われ、一度は着替えたものの、その後納得がいかない男子生徒はまた女子の制服を着たため、近いうちに罰が与えられることになったそうだ。2月24日晩には屯門区内の中学生を名乗る人物が当日の様子についてフェースブックに投稿。校則には男子が女子の制服を着ることを禁じる条項はないと指摘し、学校の対応に疑問を呈した。それがネットユーザーの反響を呼び、投降後22時間内に2400回もシェアされ、「いいね!」約1万件に達した。しかし「遊びで女装するのは自分を尊重していない」「学校で注意されたらやめるべき」などの批判もあり、賛否両論のさまざまな意見が飛び交っている。
不動産デベロッパー、華人置業集団の前会長で資産約1209億香港ドル(今年発表の米誌『フォーブス』のランキングより)といわれる大富豪、劉鑾雄(ジョセフ・ラウ)氏が3月1日、財産分与を行ったと発表した。2日付香港各紙によると、同社の筆頭株主としての株権77.99%を所有する劉氏の健康状態が極めて不安定になり、生存中に分配が必要であるとの公告を華人置業が出した。劉氏には前妻(故人)と元恋人、現妻との間に計6人の子供がいるが、持ち株分配後は、前妻との間にもうけた長男で現会長・劉鳴^mの氏(37歳)が資産価値56億6000万ドル相当の株権24.97%を、現妻の陳凱韻さん(37歳)が同113億4000万ドル相当の50.2%の株権を持つという。現妻の株権の中には9歳の娘の分(同39億7000万ドル相当)と4歳の息子の分(同73億7000万ドル相当)も含まれ、成人後は各自が所有することになる。劉氏が2014年に別れた元恋人の呂麗君さん(39歳)との間にもうけた娘と息子への分与があったかどうかは不明。
香港のおもちゃの展覧会「香港玩具伝奇」が尖沙咀の香港歴史博物館で3月2日に開幕した。同日付香港各紙によると、展示されているのは香港人が慣れ親しんだおもちゃや、香港で製造されたおもちゃが中心で、その数2600点以上。最新のおもちゃはもちろん、100年前の香港式めんこ(公仔紙)や香港市民にはおなじみの紅白のスイカボール(西瓜波)なども展示されており、5つに分けられたゾーンをめぐり、香港のおもちゃの歴史をたどる内容となっている。また、会場外では黄色いアヒルのラバーダック4000個と、身長1メートル強の『スターウォーズ』の銀河帝国軍の兵士「ストームトルーパー」 100体が出迎えてくれる。会期は5月いっぱいまで。15万人の入場が見込まれている。
区域法院(地裁)は3月2日、2015年12月に立法会のデモエリアで発生したゴミ箱爆発事件の犯人に有罪判決を下した。3日付香港各紙によると、判決が下されたのは放火共謀罪で起訴された香港中文大学事務所アシスタントの楊逸朗氏(樹仁大学学生会の元会長)と、中華厨芸学院学生の葉卓賢氏。裁判官は「事件による負傷者はいなかったものの2人の罪は深刻」と述べ、禁固刑の可能性も示唆。量刑は22日に下される。犯行画策を担当した楊氏は14年の「セントラル占拠行動」の参加者として知られる。葉氏が罪を認め反省の姿勢を見せているに対し、楊氏は罪状を否認。弁護人は教会などの懇願書17通を提出したほか、楊氏は14年まで補助警察隊員を務め社会に奉仕していたことなどから情状酌量を求めた。一方、2日には西区警察署前で市民20人余りが「セントラル占拠の黒幕の法的責任を追究しろ」との横断幕を掲げ、警察に対し通報・請願を行った。参加者らは香港大学の戴耀廷・副教授が明らかに違法な占拠行動の扇動者・指揮者であるにもかかわらず依然起訴されていないと指摘した。
香港警察は3月2日、チムサーチョイにあるビル「香檳大厦」で売春をあっ旋していた犯罪グループを摘発、男女3人の身柄を拘束した。3月3日付香港各紙によると、A棟とB棟から成る香檳大厦のB棟は、建て直しを計画する某デベロッパーが全58フラットのうち約75%を買収して住民が立ち退き、空室となっている。そこに目をつけたマフィアが空室の65%を不法占拠し、買春宿や武器・とばく道具の隠し場所、ドラッグ販売拠点として使用。収益は月に1000万ドルに上っていたものとみられる。1957年築の8階建ての香檳大厦は完成当初は九龍地区で最も高いビルで高級マンションだったが、1990年代には自営の売春婦が常駐するようになり、その数も年々増加。海外にまで買春のメッカとして知られるほどになっている。
携帯電話など通信機器用の基地局(アンテナ)が発する電磁波が原因で、家族3人が癌(がん)にかかり、うち2人が亡くなったとされる一家の存在が報じられ、話題となっている。3月6日付香港各紙によると、その一家とは上水の太平邨在住の廖さん一家。4人家族のうち、夫が食道癌で、次女が脳腫瘍で死亡、妻の廖さんも存命であるものの肺癌を患っており、現在は脳腫瘍の疑いもあるという。廖さんは家族が癌に侵された原因を、住居の屋上に設置された21基もの基地局にあると考え、家主に対し撤去を要求。大きく報道されたこともあり、すぐさまビルの家主団体は基地局の撤去を表明、以降も通信会社への場所貸しを停止するとあきらかにした。尹兆堅・立法会議員は「この報道後一週間で、同様の訴えが31件もあり、そのうち9人が癌にかかっているとの報告を受けた」と明かし、今後については「政府に対し基地局設置による安全性の確認と設置基準を明確にするよう呼びかけたい」と述べた。
3月5日は啓蟄だったが、魔除けや呪いの儀式「打小人」に最適な日といわれる同日は、打小人を請け負う「拝神婆」と呼ばれる巫女たちが常駐する鵝頚橋の周囲は多くの人でごったがえした。3月6日付『大公報』によると、今年は中国本土の団体客約80人から予約を受けた巫女もいて話題を集めた。しかも、その団体客は香港には来ずに、ネットを通じ広州で呪いの儀式を見守ったのだという。その巫女は、2月末にある企業から団体客の予約を電話で受け、当日までまさかネット中継されるとは知らなかったそうだ。啓蟄当日の早朝にIT企業の代表を名乗る人物が現れて予約人数分の料金の全額4000ドルを払い、儀式を生中継。その後、その企業では風水に関するスマホアプリを開発しており、今後は本土や台湾にはない風俗・文化である打小人を広める考えだと話している。
ハンバーガーチェーンのマクドナルドが新規顧客の拡大に向け、様々な新サービスの導入を一部店舗で試みている。3月8日付香港各紙によると、まず大きな変更点といえるのがセルフオーダーシステム。タッチパネルの電子メニューで注文から支払いまでを済ませ、オープン式のカウンターで商品を受け取るスタイルだ。限定店舗で試験的に導入したところ、顧客の8割から肯定的な反応が得られたため本格導入を開始。同時に夜間の宅配(出前)サービスにも対応するという。また、メニューも高級路線にシフト、130グラムのパテを使ったアンガスビーフバーガーなど40ドル近い価格帯の商品が3品登場する。新サービスは60店舗で9日から導入されるが、年内には100店まで拡大される見込みだ。同社の黎韋詩・香港董事総経理は「香港で高級ハンバーガーというと60〜100ドル程度するが、マックは高級品の大衆化という意味で40ドルで勝負したい」と抱負を語った。
ファーストリテイリングが展開するユニクロの別ブランド「GU」(ジーユー)のオープン日が決定した。3月9日付香港各紙によると、開店は2店舗ほぼ同時で、3月31日に尖沙咀の美麗華商場店が、4月1日に銅鑼湾の皇室堡店がオープン。両店舗とも1万平方フィートを超える大型店舗になるという。商品の特徴はまず価格で、ユニクロに比べ3割ほど安く設定されており、若者向けが主流。そのためデザインも流行を取り入れたものが多く、全販売員のうち約一割に当たる20人がファッションアドバイザー「おしゃリスタ」を兼任、顧客への提案も行う予定だ。同店のオープンにさきがけて小倉慎司・香港首席営運総監は「香港の小売業は厳しい状況にあるが中長期的には成長する潜在力がある」と楽観し、「GUを香港人の会社にしたい。そのために顧客はあくまでも香港市民を想定している」と香港重視の姿勢を示した。
香港警察は先ごろ、大規模な組織売春を摘発した。3月9日付香港各紙によれば、当局は約半年前に犯罪集団が韓国籍や中国本土の売春婦をあっ旋しているとの情報をキャッチし捜査を進めていた。摘発された組織の構成員は自ら韓国に赴いたり、韓国のアダルトサイトを使って現地の美しい風俗嬢をスカウト。旅行者の身分で来港させ専用車で送迎、ヘアメークを施して宣材写真を撮影し、インターネットや携帯のアプリに女性たちのセクシーな写真などを載せて客を募っていた。買春客が借りた高級ホテルの一室に売春婦を派遣するなど高級路線で売っていたという。今回の摘発で身柄を拘束されたのは、組織の主要メンバーと売春婦65人で、65人のうち5人は韓国籍(30〜38歳)、4人は香港籍、ほかは中国本土籍だった。1回の料金は1000〜6000ドルで、その6割は組織の懐に入っていた。1カ月の売り上げは約100万ドルに上っていたものとみられる。
香港MBAフォーラム、和食ビジネスの展望
香港城市大学で3月4日、「香港MBAフォーラム2017」が開催された。これは香港中文大学、香港科技大学、香港大学、香港城市大学のMBA生が主催するもので5回目を迎える。今回は香港に進出している飲食業界の日系企業3社、Watami International 代表取締役社長の桑原豊氏、Suntory F&B international 代表取締役の鈴木康太郎氏、外食産業コンサルを業務主体とするTotal International マネージングディレクターの山野邉剛氏らが登壇、和食フードビジネスの現状と課題、今後の展望や和食のトレンドについてパネルディスカッションが行われた。鈴木氏は香港市場の魅力について「アジア圏のどことも比較し難いほどエキサイティングな場所。人々の食へのこだわりが半端ないので、はやり廃りがあるとはいえ挑戦しがいある」、桑原氏は「01年の進出以降、多くの困難と向きあい厳しい状況を強いられている。今回引き受けたのは海外進出の厳しさとやりがいを率直に学生の皆さんに伝えたかったため」と香港市場の特性と魅力を述べた。日本人だけでなく外国籍のMBA生も多く、約100人が参加した。
宮城県がYAKINIKU GREATとコラボ
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