注目のメガリゾート ギャラクシー・マカオ 第2期がオープン
マカオのコタイ地区にある巨大リゾート施設、ギャラクシー・マカオ。その第2期とブロードウェイ・マカオが5月27日にオープンした。カジノもさることながら家族でも楽しめる統合リゾート(IRリゾート)として建設された同施設を紹介する。(取材と文・武田信晃/一部写真提供・GEG)
ギャラクシー・リゾートとは このリゾートを運営するのは銀河娯楽集団(Galaxy Entertainment Group=GEG)。マカオ半島でホテルとカジノのスターワールドを経営していることでも知られる。ホテルオークラ、バンヤンツリー、ギャラクシーホテルが入る第1期は2011年5月に開業。今回はその南側にある第2期と通りを挟んだ西側にあったグランドワールドホテルを大改修。「ブロードウェイ・マカオ」という名前で再出発させた。 第2期の南側には第3、4期の計画があり、第3期では会議、展示会などの「MICE」を中心とした施設に、第4期はテーマパークの誘致を視野に入れている。総事業費は1000億ドル、日本円でいえば約1兆5800億円となる。見直しとなった新国立競技場の総工費2520億円の約6倍、2015年度の横浜市の一般会計予算とほぼ同じ。どれだけ巨大なプロジェクトかわかるだろう。
ギャラクシー・マカオを上から見ると全体が変形のフラスコのような形をしており、外側=縁側の部分がホテルで、液体が入る中央部分は室内がカジノ、屋上部分が「グランドリゾート・デッキ」と呼ばれる巨大なプールになっている。総面積は第2期の完成により110万平方メートルに達し、グランドリゾート・デッキは7万5000平方メートルだ。ショッピングエリアには高級ブランドを含め200を超えるショップ(うち地元マカオのブランドは約30)、ミシュラン星を持つ店を含む120の飲食店、座席が前後左右上下に動くスクリーンを有するシネマコンプレックスなどがある。
ザ・リッツ・カールトンとJWマリオット・ホテル、カジノ、流れるプール、ショッピングモールが集まる第2期と、ホテル、カジノ、シアターから成るブロードウェイの事業費は430億ドル(約6800億円)。GEGの呂志和チェアマンは記者会見で「マカオが世界の観光とレジャーの中心地になるよう努力していきたい」と意気込みを語っている。ロバート・ドレイクCFOは日本のメディアに対し「マカオは香港観光の1つとされるケースが少なくなかったが、リゾート型への転換によりマカオでの観光がメーンとなるようにし、1日でも長く滞在してもらえるようにしていくのが狙い」と述べた。
サービス充実の高級ホテル
世界に名だたる高級ホテルのリッツは、12フロア236全室がスイートで、一番小さい部屋でも82平方メートル。客室内でのチェックイン、無料のアイロンかけサービス、1日5回のサプリメントサービスなど、サービスが充実している。部屋はリビングルーム、パウダールーム、ベッドルーム、ドレッシング・クローゼット、バスルームの5つの部屋で構成され、高級感あふれるリラックス空間を演出している。
ダイニングは、51階に「麗軒」という広東料理の店がある。中華シェフの傳文彪氏は25年の経験を持ち香港のリッツ・カールトンにある「天龍軒」でミシュラン2つ星を獲得している。レストラン内は入った瞬間に「うわぁ」と声を上げてしまいそうなほどの豪華さで、特別な機会にも利用できそうだ。同じ階には82席の「ザ・リッツ・カールトン・バー&ラウンジ」がある。昼はアフタヌーンティーを、夜はおいしいお酒を堪能したい。またパーティー、会議に使われる宴会場は900平方メートルの広さ、リゾートというだけあってスパは10部屋あり、施術内容が充実している。
★JWマリオット・ホテル
JWマリオット・ホテルは18フロアに944室、スイートは71室の計1015室で、同系列ホテルの中ではアジア最大。一番小さい部屋でも45平方メートルあり、香港にはこの部屋より小さいアパートが無数にあることを考えるとさすがリゾート型の5つ星ホテルといえよう。天井は高さ3メートルあるが窓は床から天井までほぼガラスのため昼間は非常に明るい。日本人としてうれしいのは西洋のホテルとしては珍しくトイレが独立していて、香港、マカオではまだ少ない温水洗浄便座付きという点だろう。加えてシャワー室とバスタブも別々だ。
ダイニングは中華料理店やラウンジなどがあるが、お薦めなのは「アーバン・キッチン」というバイキングスタイルのレストラン。中華、イタリアン、ポルトガル、日本、韓国などさまざまな料理が味わえる。北京ダックが食べられるほか、パスタ、すしはシェフが注文を受けてから作ってくれるのでうれしい。ソフトドリンク類は飲み放題だ。宴会場、フィットネスセンターを完備するほか、子ども向けのキッズクラブがあるのも特徴的だ。滑り台やゲームセンター、子供向けの床屋まである。
★ブロードウェイ・マカオ
ギャラクシーとは連絡通路でつながっている。カジノとホテル客室320室のほか、施設の外側の部分には「ザ・ブロードウェイ」という40の飲食店、20の小売店が軒を連ねる通りがあり、うち60%はマカオの中小企業だ。ギャラクシー全体の集客の鍵となるのはコンサートや舞台を開催する3000人収容のシアターかもしれない。ギャラクシー・マカオにはこれまでこういった施設がなく、コンサートはベネチアンがほぼ独占。ホテルオークラ・マカオで働く人が「例えば、韓流スターを呼んだりすれば、日本のみならずアジア各国から客が来るのではないか」と話していた。
大人も子供も喜ぶ遊び場 ★世界最長の流れるプール グランドリゾート・デッキには全長575メートルという世界最長の流れるプールがある。ただ長いだけでは飽きるので、途中に水が上から吹き付けるエリア、ガラス張りのエリアなど仕掛けがいっぱい。普通のプールもあり、その横にはカフェも併設されている。また、第1期部分にあるプールにも接続されており、水遊びで丸1日楽しく過ごせそうだ。
第2期でのカジノのテーブル数は第1期の450卓の3分の1である150卓だが、1期とつながっていることもあり、全体で600卓と考えたほうがベターだ。VIPルームも2室、計40テーブルのみとなっている。台と台の間隔も広め。バカラ、大小、ブラックジャック、ルーレット、スロットマシーンとプレーできるのは従来とほぼ同じだ。
ショッピングに目を向けると、第1期のモールはユニークなブランドがあっても、ルイ・ヴィトンのような超一流ブランドの入居があまりなかった。第2期にあるモール「プロムナード・セントラル」に世界の主要ブランドが入店したことで、ブランド品を買いにギャラクシーから隣のベネチアンなどに行かなくても済むようになった。 Galaxy Macau(澳門銀河綜合渡假城)
交通:上環(ションワン)のフェリーターミナルからコタイ行きの高速フェリー「コタイ・ジェット」の利用が便利。そこからシャトルバスが出ている。
|
|
|